4 缶詰はこうして作られる

  
食物の味・色・香りをこわさないように、ハイスピードで加工される

 缶詰は、一般につぎのような工程によって作られます。

  

原料→調理→詰込→注液→脱気→密封→殺菌→冷却→打検・荷造り→製品

  
 原 料

 缶詰を作る上で一番大切なことは、原料の品質の選択ということです。もっとも新鮮な原料をもっとも短い時間に缶詰にすることが、その原料のもっている独特の風味を生かすための必要条件であります。ただ、果物の場合は、適度に熟した香りや味のものを使う必要があるので収穫後ある程度追熟して加工するものもあります。

 したがって、水産缶詰の工場は、魚が多く水揚される漁港の近くに、果物や野菜缶詰の工場は、原料の栽培されている産地に多く建てられています。

 また、最近の冷凍技術の進歩に伴い、魚、食肉などの缶詰には急速冷凍した原料が多く使われるようになりました。したがって、缶詰の原料は、小売店で売られている生の魚や果物、野菜より新鮮で栄養価が高く、一番おいしい味のものが使われているといえます。

  
 洗 浄

 生の原料に付着している土壌、農薬その他の異物を洗い落とすために、きれいに洗浄します。

  

 調 理

 缶詰にするまえに、食べられない部分、魚では頭・内蔵、果物や野菜では、皮・種子・芯などを取り除きます。これらの作業はほとんど機械化され、スピーディに処理されますので、原料の風味はよく保たれます。

  

 詰込・注液

 調理された原料は、規格で決められた内容量の基準にしたがって、1缶1缶厳密に計量して、缶に詰められ、調味液やシラップを注入します。なお詰込と注液は、自動的に流れ作業で行われます。

  

 脱 気

 中身を詰めた缶は、密封する前に、中の空気を取り除きます。それは、@加熱殺菌中に缶内の空気の膨張により缶が変形するのを防ぐ、A缶詰貯蔵中の缶内面の腐食を防ぐ、B内容物の色、香り、味、ビタミンその他の栄養素の変化を防ぐなどの目的で行われるものです。

  

 密 封

 缶のふたを図のような二重巻締という方法で完全に密封します。

 これは空気、水、細菌などが缶内へ侵入するのを完全に防ぎ、製品が貯蔵中に変質したり、腐敗したりしないようにするためです。缶詰の密封は、巻締機によって自動的に行われ、能率は製品の種類によりますが、1分間に60〜2000缶の巻締が可能で、缶の中の空気をぬいて真空状態で巻締ができる真空巻締機がおもに使われています。

二重巻締断面拡大図

巻締の様子をビデオでご覧ください
ビデオ「カンタスティックアドベンチャー」より

* ビデオをご覧になるにはRealPlayerが必要です

   
 殺菌・冷却

 密封した缶詰は、殺菌機によって加熱殺菌されます。これは細菌など微生物を加熱によって死滅させて腐敗を防ぎ、長く貯蔵できるようにするためで、中身の種類によって加熱温度と時間を変えて行います。たとえば、果物、果汁、ジャムなどの缶・びん詰は、酸が多いので、100℃以下の温度でしかも短い時間で殺菌できます。そのために、デリケートな味や香りもよく残りますし、ビタミンも保存できるわけです。野菜や魚、肉などの場合は100℃以上の温度で時間をかけて殺菌することが必要です。殺菌を終った缶詰は、品質の変化を防ぐため、ただちに水で冷却します。

 また野菜の大型缶や、カレーなどの調理食では温度を高くし短時間で殺菌する回転殺菌法が用いられています。この方法によると殺菌時間が短くなるのでフレッシュな香味がよく保たれます。

  

 打検・荷造り

 出来上がった缶詰は、真空度の低いもの、詰め過ぎや軽量のもの、凹んだものなどの不良缶を選びだして取り除きます。この検査は昔は打検棒で軽くたたいてその時の音で判断していましたが、現在では自動機械で検査します。検査がすんだものは、ダンボール箱に詰めて倉庫へ搬入します。なお、びん詰も缶詰とほとんど同じ工程で製造されます。 

  

缶詰製造工程の例

 ・ まぐろ缶詰 ビデオでもご覧いただくことができます
 ・ みかん缶詰   
    

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