34. 缶詰は変敗するとどうなるのですか?

缶詰の微生物による変敗には、(1)熱に強い細菌が缶の中で生き残り、中身を腐敗させてガスを出すもの、(2)熱にあまり強くない細菌、酵母などによって、中身を腐敗・発酵させてガスを出すもの、(3)熱に強い細菌が、中身を腐敗させて酸を出すものがあります。大きな特徴は(1)と(2)の場合はガスによって缶が膨らむ(膨脹)ことで、(3)は膨らみませんが、いずれも開けると不快な臭いや味がすることがあります。

膨脹の程度は、軽く膨らんだ一方のふたを押すと凹んでもう片面が膨らむ様なものから、強く膨れて押しても凹まないものがあります。缶が膨らむ原因には、(1)と(2)の微生物的な原因以外にも化学的な原因による場合もあります。これらのすべてが危険とはいえませんが、万一の場合を考えて膨らんだ缶詰は利用しないようにしてください。

しかし、缶詰は微生物の殺菌について科学的基礎に基づき細心の注意を払って製造していますので、このような製品が市販されることはまずありません。安心してご利用下さい。