24. かに缶の中に入っている紙は何のためですか?

かに缶詰は、中身を硫酸紙で包んであります。この紙は硫酸紙またはパーチメント紙といいます。硫酸紙といっても製紙工程で硫酸を使うという意味で、実際に硫酸を含むわけではありません。

かにの肉は、たん白質の中に硫黄分を含んだ成分が比較的多く含まれているので、容器の鉄分と結合して硫化鉄が生成し、部分的に黒い斑点ができることがあります。これを防ぐため缶の内面を塗装し、さらに硫酸紙で包んであるのです。

このような黒変は、かに以外のえび、ほたてなど魚貝類缶詰でもみられることがありますが、衛生上全く問題はありません。

このほか、かに缶詰の中に、肉が部分的に青く変色したものが時にみられます。これはかに肉の血液中に含まれるヘモシアニンという色素がその要因の一つとされており、原料肉の洗じょうによる血液の除去が不十分な場合に起こりやすいとされていますが、これも衛生上問題はありません。