缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A (保存性)

2014年4月1日 改訂版

Q47. 缶詰、レトルト食品の保存性について教えてください

缶詰、レトルト食品は、密封後に加熱殺菌を行って、長期間の保存性を与えた食品です。したがって、貯蔵中に細菌の発育や油脂の酸化による変敗現象はみられません。通常、室温(約15~25℃)で貯蔵した場合、賞味期限の日付まではいつでもおいしく召し上がれます。賞味期限以降については、貯蔵中の温度などの影響を受けて、味・香り・色などの品質がきわめてゆるやかではありますが、徐々に変化していきます。

関連項目

Q48. びん詰の保存性について教えてください

びん詰は、缶詰と同じように密封して殺菌してあるので、貯蔵中に変敗することは全くありません。ただ、しゃ光性がないので、長期間保存した場合は、光線の影響を受けて、中身によっては色調などに変化が見られるものもあります。

びん詰の中で、つくだ煮、酢漬・しょう油漬などの漬物などは、比較的光線の影響を受けにくく品質は安定しています。しかし、ジャム・マーマレード、果実シラップ漬など糖を多く含む食品は、保存条件によっては光線の影響で色調が変化していくものもあります。いずれの食品についても開封しなければ賞味期限の日付までは品質は安定していますので、いつでもおいしく召し上がれます。

関連項目

Q49. 保管するにはどんな場所がよいですか?

缶詰、びん詰、レトルト食品は、常温で貯蔵できるので、輸送・保管に冷蔵などの設備を必要としません。エネルギー節約の点でも、優れているといえます。

しかし、どんな食品でも温度の高いところに長く置くと、品質の低下を招きます。缶詰も暖房器具や加湿器などの影響を受けるところや、直射日光のあたる場所、風通しの悪い場所に置くことは避ける必要があります。

家庭でも、温度変化や湿気の少ないところを選んで保管したほうがよいといえます。

関連項目

Q50. 賞味期限が切れた缶詰やびん詰、レトルト食品は食べられますか?

缶詰の大きな特徴の一つとして、製造してから常温でおよそ3年間の長期にわたり保存できることがあげられます。缶のふたには賞味期限を示す日付が表示され、その日付までは「おいしく食べられる」ことをメーカーが保証しています。これは、びん詰やレトルト食品についても同様で、それぞれ半年から1年程度、1年から3年程度の賞味期間を持っています。

しかし、缶詰、びん詰、レトルト食品は賞味期限の日付が経過したからといってすぐに食べられなくなってしまうことはありません。缶詰、びん詰、レトルト食品は密封の後、その主要な製造工程である加熱殺菌により食品の腐敗の原因となる微生物を殺滅しています。このため保管中に新たな微生物が侵入しないかぎり、賞味期限の経過後についても開封しなければ中身が腐ることなく長期間の保存ができます。ただし、「おいしさ」という観点からは、これを保証する賞味期限からの経過期間が長くなるほど期待は薄くなりますが、上記の理由により賞味期限を過ぎた後も食品としての安全性や衛生面については問題ありません。

一方、缶詰、びん詰、レトルト食品の保存に不適切な環境、例えば高温多湿な場所での長期保存は品質の低下をまねきやすく、場合によっては食品としての安全性が損なわれることがありますので、賞味期限を過ぎたものについては、次の点を確認してください(いずれも未開封での確認事項です)。(1)缶詰の場合は缶が錆付いていないか(缶自体が腐食して穴(ピンホール)があき、そこから空気や水分とともに微生物が侵入している場合が考えられます)、(2)ふたや容器が膨らんでいないか((1)などの理由により微生物の汚染を受けるとガスの発生により容器が膨張することがあります。また、缶詰では缶内面の腐食により水素の発生を伴って膨張する場合もあります)、(3)ふたを指で押すとペコペコとへこまないか(上記(2)と同様の理由)。

万が一、保存していた缶詰、びん詰、レトルト食品に以上のような状態が見られた場合は十分ご注意の上廃棄してください。また、微生物によって汚染を受けた缶詰は開けると腐敗臭がします。

正常な缶詰、びん詰は、真空に近い状態を保持していますのでふたはややくぼみ気味で、指で押しても硬いものです。異常を見分けるには、上記のように「さび」や「ふたの膨張」といった、外観の変化に注意してください。

缶詰、びん詰、レトルト食品を上手に保存するには、直射日光のあたる場所や湿気のこもりがちな場所を避け、温度変化の比較的少ない場所を選ぶことをお勧めします。

関連項目

缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A (検査)

Q51. JAS検査はどのように行われていますか?

缶詰にJASマークを付けようとする場合は、まず、工場の施設、機械設備、技術者、品質管理の状況などについて、農林水産省に登録した登録認定機関の審査を受けます。一定の基準に適合しているときは、登録認定機関によりJAS認定工場としての許可を受けることができます。

JAS認定工場は、製造工程や品質管理体制などの状況からみて、常に製品の品質が安定していて、規格への適合性が確保されていると認められた工場であることから、製品について自らが検査し、合格・不合格の判定を行うことができます。

検査の手順と項目は、まず、表示された事項を調べ、量目を計り、つぎに外観、色沢、香味、肉質、夾雑物・異物の混入の有無などについて、主として官能による検査が行われます。表示と量目が適正であり、変敗や異物の混入がなく、品質が一定の基準を保持していると認められたときは合格と判定されます。

なお、果実シラップ漬の糖度、魚や肉の味付の調味液の濃度などについては、糖用屈折計による示度を、ジュースについては、エタノール分、精油分、揮発性酸度、糖度、酸度、ビタミンCなどについて、それぞれ測定し、計量的検査が行われています。

JAS認定工場の場合は、あらかじめJASマークを印刷してある缶を使って製造することが認められています。

関連項目

Q52. 輸入品の検査は行われていますか?

輸入品の検査は輸入港の検疫所で、あらかじめ届出された書類に基づき、食品衛生上問題がないかどうか、正しい表示が行われているかどうかなどについてチェックし、必要に応じて内容物の検査が行われます。

変質・変敗や食品添加物の使用について、食品衛生法違反の疑いがある場合は、登録検査機関による分析証明書の提出を求めるなど、不良食品の流通を事前に阻止するように努めています。しかし、数多く輸入される缶詰、びん詰について、全面的に検査することは不可能であり、むしろ、輸入業者において万全を期すよう努力されています。

関連項目

Q53. 工場の衛生管理は十分行われていますか?

缶詰、びん詰、レトルト食品をはじめとして、各種の加工食品の製造の過程で、有害な物質の混入を防ぎ、安全な食品を生産するために、日本缶詰びん詰レトルト食品協会では缶詰、びん詰、レトルト食品工場向けに、適正食品製造基準、いわゆるGMPを制定して、食品による事故発生の防止に努力しています。また、わが国でも食品衛生法に基づき工場の衛生管理について監視・指導が行われているほか、地方自治体の条例などで、作業場、機械設備、保管倉庫、便所などの施設、原料から製品に至るまでの製造工程などについて、衛生管理の基準や方法について詳しく規定されています。

最近では製品の安全性を高めるためにHACCP(危害分析重要管理点)方式の衛生管理を実施する工場が増えています。

日本缶詰びん詰レトルト食品協会では、これらの管理を工場が導入するためにマニュアル(手引書)などを作り、衛生管理の向上を図ることに努めています。

また、さらに品質や安全性の向上のため、品質管理、巻締、殺菌、HACCPの各主任技術者資格認定制度を設け、1万人近くの方が資格を取得しています。

関連項目

缶詰、びん詰、レトルト食品Q&A (容器)

Q54. 色々な形の缶があるのはなぜですか?

現在、缶詰に使われている缶型は、円筒型、だ円型、角型などがあります。これらの缶の形は、原料を最も効率よく詰め込むために工夫されてきたものです。例えば、いわしの魚体をうまく詰めるにはだ円型が、サンマの蒲焼には角型が、それぞれ適しているといった具合です。

ほとんどの製品で使われている円筒型は、缶の表面積が同一の場合、他の型に比べて中身を最も多く詰めることができ、また、製造に際しても能率的であり、製品のコストも安くなるという利点があります。

缶の大きさは、業務用に使う大型の缶や家族の人数、使い道によって適切な容量のものを選ぶことができるように、大、中、小型のものが作られています。なお、最近の核家族化や、ひとり暮らし世帯の増加傾向に伴って、小型缶(内容量約100グラム)の需要が増えています。

Q55. あき缶の再利用について教えてください

缶詰の中身を使ったあとのあき缶は一つの資源となるので、その有効利用の方法について色々研究されてきましたが、スチール缶について一応実用化されているものは、(1)くず鉄として使用し、鉄鋼製品に再生する。(2)銅鉱より銅を回収するために利用する。(3)窒素を利用した低温破砕法により再利用する。という三つの方法があります。

現在、缶詰用及びその他の缶の消費量は、年間スチール缶が約66万トン、アルミ缶が約30万トンですが、鉄鋼製品として再利用されているスチール缶は60万トン、アルミ缶が29万トン程度で、スチール缶は90.8%、アルミ缶は94.7%を回収し、再生されています。再生資源としての利用ルートが確立されているのでこのような高いリサイクル率となっています。

あき缶は、観光地などの屋外に捨てられるものと、家庭からゴミとして出されるものの二つがあります。あき缶を再利用するためには、できるだけ費用をかけないで能率的に回収することが必要です。すなわち屋外で捨てられるあき缶は、必ず一定の場所のくずかごに入れるようにし、家庭のゴミは、新聞、雑誌、ボロ切れ、あき缶、ビンなどにできるだけこまかく、さらにスチール缶とアルミ缶に分別して出すようにすれば、回収業者の手間や費用が少なくてすみ、資源化ルートに乗りやすくなります。

なお、現在、あき缶の回収利用や環境美化のために活動している団体には、スチール缶リサイクル協会、アルミ缶リサイクル協会、食品容器環境美化協会及び日本容器包装リサイクル協会等があり、日本缶詰びん詰レトルト食品協会内には環境問題検討委員会が設置されています。

このページの上部へ