ジャムの原材料の特長と、効果・効能

  

ペクチン

語源はギリシア語の「pektos(硬い)」 あらゆる植物に含まれている天然の多糖類。
 ペクチンは、植物の細胞壁の構成成分として、セルロース等他の成分と結合して、植物細胞をつなぎ合わせる「セメント」の働きをしている天然の多糖類です。量的な違いはありますが、あらゆる果物や野菜に含まれています。ゼリー化(ゲル化)作用をもつ成分であることから、1825年、フランス人であるJ.Braconnotによってギリシア語の「pektos(硬い)」にちなんで「pectin:ペクチン」と名付けられました。

糖分、酸とともにゼリー化の3要素。ジャムの製造に重要な役割。
 果物を煮ると、含まれているペクチンが水に溶け出し、糖分とともに煮詰めると果実中の酸との作用によりゼリー化するのです。果実によりこのペクチンの量が足りない場合には、理想的なゼリー化状態にするために補うことになります。古くからジャムをつくるときに、りんごの芯などが伝統的に使用されてきましたが、今日、ペクチンはその優れたゲル化特性から、ジャムやフルーツゼリーソース、ゼリーの製造など幅広く利用されるようになりました。ジャムの製造にあたって重要な役割を果たしているのです。

りんごや柑橘類から抽出。栄養補助食品や医療品にも!
 ペクチンの工業生産は、数十年前にヨーロッパとアメリカで始まりました。抽出原料としては乾燥させたりんごの搾りかすや柑橘類の果皮が使用されています。ペクチンはその構造の違いにより、さまざまな特性をもっており、ゲル化剤、増粘剤、安定剤などとして大部分は食品分野で利用されていますが、水に溶けるタイプの代表的な食物繊維でもあり、栄養補助食品や医療品の分野までも用途が広がっています。

食物繊維として腸に健康効果。動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病にも。
 食物繊維としてのペクチンの特性は、私たちの健康維持に非常に重要な役割を担っているのです。ペクチンには整腸作用があり、下痢や便秘を予防する効果があります。また血液中のコレステロール、なかでも悪玉と呼ばれているLDLを下げる働きがあり、動脈硬化や心筋梗塞、糖尿病にもよい効果を上げるといわれ注目を集めています。(草地道一)

 

 

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