レトルト食品等のプラスチック製容器包装の資源循環対応について

平成31年4月1日
公益社団法人 日本缶詰びん詰レトルト食品協会
環境問題検討委員会

レトルト食品等のプラスチック製容器包装の資源循環対応について

 近年、プラスチックは社会生活に多く利用され、我々食品業界においてもその利便性と恩恵を享受しています。しかし、その一方で、廃棄されるプラスチックが有効利用される割合はまだ低く、さらには、海洋流出に伴う地球規模での環境汚染も懸念されています。公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会では、このような現状を把握するとともに、課題として認識しています。

他方、レトルト食品等に使われているパウチ(袋)等のプラスチック製容器包装は、食品の安全衛生や品質の保持、安全な流通、軽量化や易開封性による消費者の利便性向上、適切な食品表示による重要な情報提供を行うという基本的役割があり、必要不可欠なものとして成果を上げています。また、災害備蓄や、食品の保管という面でも、その役割は大きいものがあります。その他、これらのプラスチック製容器包装には、内容食品の安全性の観点から、食品衛生法で強度等の厳しい容器包装規格が定められているとともに、殺菌工程における対熱性能も求められます。

これらの重要な役目を担う様々な機能を付与するために、プラスチック製容器包装は複合素材でかつ多様な種類が用いられています。複合素材は、薄いプラスチック材料等を複数組み合わせて作られており、単一素材と特定の機能について比較した場合、より少量のプラスチックでその機能を満足させることが可能になります。このように、複合素材はプラスチックの減量化(リデュース)を実現できるものですが、その一方、リサイクル面では制約があるとともに、また、プラスチック以外の再生可能資源の転用も困難という面もあります。

本会としましては上記の内容を踏まえ、プラスチック製容器包装の資源循環対応に資するため、平成12年より「缶詰、びん詰、レトルト食品等の容器包装識別表示ガイドライン」を制定し、業界を挙げて、消費者に分かりやすいプラスチック製容器包装の識別表示を行っています。このことで、消費者によるプラスチック製容器包装の分別が容易になるとともに、正しい分別廃棄、回収が行われることで、その資源循環の向上にも繋がっています。その他、メーカーによる食品ロス削減の取組みとしても進められている、賞味期限の延長、賞味期限の年月表示等により、プラスチック製容器包装の排出抑制が行われています。

以上のように、レトルト食品等に使用されているプラスチック製容器包装に係る意義、特徴や取組みをご承知いただき、社会全体としてプラスチックの資源循環に取り組みつつ、持続可能な社会の構築、地球環境の保全に貢献していくためのより一層のご理解、ご協力を賜りますようお願いいたします。

日本缶詰びん詰レトルト食品協会のご案内(PDF版)

このページの上部へ