令和元年度 逸見賞授賞報文

1. 選考期日

2019(令和元年)年9月3日(火)

2. 授賞報文

♢ 逸見賞(1本)

○ 缶詰製造工程の定量充填作業に資するロボットシステム(試作モデル)開発

岩手大学理工学部附属ソフトパス理工学総合研究センター 三好 扶・佐々木誠・明石卓也
岩手大学大学院工学研究科 佐藤秀太
株式会社津田商店 小笠原正勝・津田保之
日本食品工学会誌Vol.19,No.3 (2018)

選考理由; 食品産業は労働集約型作業が多く、近年人手不足が深刻化しているが、人手不足解決の手段としてロボット技術の導入が有効である。本研究ではサンマ蒲焼き缶詰の定量充填工程へのロボットシステム化を検討したものである。その結果、作業速度は熟練作業員より劣るものの、適切な組み合わせ判別アルゴリズムの構築など実用化への可能性を示唆するとともに動作性の向上などの課題点も明確にしており、今後の食品産業への寄与は非常に高いと考えられる。

♢ 奨励賞(2本)

○ The effect of radio-frequency heating on vacuum-packed saury (Cololabis saira )   in water    

国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 金房純代・高橋千栄子・植村邦彦
Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry Vol.82,No.9 (2018)

選考理由; 本研究は高周波(RF)加熱処理をした真空パックのサンマについて従来のレトルト殺菌製品との比較からその有効性について評価したものである。RF加熱は迅速な熱処理と骨の柔らかさを実現するだけでなく、加熱によるオフフレーバーの発生もなく、コラーゲンペプチドを多量に保持するなど高品質な製品の可能性を示唆したものである。今後は他の包装食品への適用試験や微生物学的安全性の検証等を行うことにより、さらなる普及が期待される。

○ レーザー型消えない印字包材    

大日本印刷株式会社 杉山有紀・山田 新・伊藤克伸
日本包装学会誌 Vol.27,No.2 (2018)

選考理由; 食品表示は消費者が商品を選択する上で非常に重要であるが、印字の消失や改ざんといった問題点がある。これらにはレーザー印字が有効であるが、印字の低視認性や高コストといった問題がある。本研究ではこれらの課題を解決する新しいインキについて検討を行い、レトルト殺菌後でも高濃度を維持する安価なインキを開発したものであり、新規性・実用性の高い研究といえる。今後は内容物への影響や実際の経済効果へのシミュレーションなど実用化に向けたさらなる検証が期待される。

3. 選考委員名簿(敬称略)

委員長   大島 敏明 東京海洋大学学術研究院教授
委員   竹永 章生 日本大学教授
〃  石原 賢司 (国研)水産研究・教育機構 中央水産研究所
       水産物応用開発研究センター 安全性評価グループ 主任研究員
〃  佐藤 一弘 東洋製罐グループホールディングス㈱ 綜合研究所 所長
〃  赤地 利幸 大和製罐㈱ 総合研究所 所長
〃  田中 光幸 田中技術士事務所 所長
〃  石川 敦祥 日本缶詰びん詰レトルト食品協会技術委員会 委員長

4. 表彰式

2019(令和元年)年11月14日(木)

第68回技術大会開会式席上
[ 山形国際ホテル(山形市香澄町3-4-5) ]

このページの上部へ