(缶詰時報 2008年12月号掲載)

さんは週に何回、スーパーマーケットで食品を購入しているでしょうか?週末の買い出しで1回、特売で1回またはコンビニだけといったところでしょうか。私は仕事柄、食品や料理に興味があり、週に3回はスーパーマーケットを物色しています。お店に入ると野菜、果物、日配品、加工品、食肉、魚、冷凍品、お惣菜などが並びますが、私が真っ先に見るのが鮮魚コーナーです。何故かというと、お店によって、野菜が得意(新鮮で安い)な店、鮮魚が得意な店はそれぞれ違いますが、共通して鮮魚の品揃え、取扱いを見ることでその店の食品の鮮度がわかると思っているからです。鮮魚に関しては産地表示、消費期限が最も重要な情報であり、慣れれば、鮮度を見た目で判断することも可能です。しかし、切り身、パック詰の商品では、直に触れるわけではないので (魚を触れない方のほうが多いのでは?)、この場合、魚屋さんの良心に頼るほかありません。私がよく行く漁港の魚屋さんでは定置網で水揚げされた魚を売る他に、釣り人が釣った魚を買い取って販売してくれます。魚屋のおじさんによると水揚げされた当日の魚は、まず注文をくれた料亭や買い付けにきた仲買、仕入れ業者に渡り、余った魚は翌日、市場に卸してしまうそうです。その魚が鮮魚として消費者に提供される時には水揚げから2〜3日後で、スーパーマーケットでの鮮魚の消費期限は概ね2日ですから、合計 5日間となります。

ほどの目利きではないと、現在の完璧な低温流通された食品の鮮度を見抜くことはたいへん難しいと思われます。加工食品ならばなおさらではないでしょうか。

つて、その加工食品について、当協会主催の缶詰品評会にて審査員の皆さんの補助をしていた時に、その製品の技術的な目利きに感銘を覚えました。審査員の皆さんの意見は実に鋭く、皿に盛られた、製造メーカーもわからない目隠しの製品の外観を見て、試食しただけで、どのメーカーで作ったのか、原料の産地は何処だとか、どんな製造法だとかをずばりと言い当ててしまうのです。

品の品質・管理体制が問われる昨今ではありますが、食品に携わる者として、食品製造の諸先輩方のような食品のプロ・目利きになりたいと思っております。

して、皆さんも是非、諸先輩方のすばらしい知識・
技術を受け継いで発展させることを切に願います。 

(食品微生物学研究室 山口敏季)


<2008年10月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 変敗品から分離したC.thermosaccharolyticum の遺伝解析による同定および芽胞の耐熱性測定

  2. 連続式通電加熱の電流供給方法の違いが熱伝達に及ぼす影響

  3. 2008東京国際包装展

  4. 食品開発展

  5. インターネットによる情報管理

  6. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付42件、前月より繰り越し24件、合計66件。うち完了41件、来月へ繰り越し25件。

主要項目:貯蔵試験、分析(ヘッドスペースガス、栄養成分)、測定(油脂特数、揮発性塩基窒素、芽胞数)、異物検定、原因究明(変敗、変色、異臭)、官能評価、開缶調査、同定(付着物、菌株)、微生物接種試験、無菌試験、細菌試験、容器試験(性能、密封)、かたさ測定、英文証明書作成、FDA殺菌条件申告、ホームページ管理、通関統計データ処理

その他

  1. 殺菌講習会・講師担当

  2. HACCP講習会開催・講師担当

  3. 長野県産業人材カレッジ講師担当

  4. 第47回(財)東洋食品研究所顧問会出席

  5. 第18回日本清涼飲料研究発表会聴講

  6. 水産利用懇話会・会議および講演会出席

  7. 日本食品工業倶楽部主催サニタリー技術開発研究会・講師担当

  8. 研究会(チルド食品情報原稿作成および会議開催準備)

  9. FDA管理サービス関連業務

  10. 会員サービス他(技術相談、文献調査、見学応対、電話、電子メール回答)


Update 2008/12/12

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