(缶詰時報 2005年2月号掲載)

研究室において長年にわたって頑張っていた分析機器の一つが遂に寿命を迎えました。調子が悪い時も頑張れ!、頑張れ!とムチを打って使用してきましたが、その日は突然やってきました。通常どおり出勤するとその機器からピーという連続音がし、画面上にそのお知らせが出ていました。メーカーより故障してもサポートを打ち切るという無情のお知らせ(製造後10年以上経過していますので当然といえば当然)があったため、買い換えを決めていた時です。納入される数日前でしたから日常業務に差し支えはありませんでしたが、古い機器が買い換えることを知り、寂しく思ったのか、怒ったのかは判りませんが、あまりのタイミングの良さに驚いてしまいます。長い間、お世話になりました。

機種があまりにも古いため比較になりませんが、新機種に触れているとその進歩に時代の流れを感じます。分析自身は数秒で終了してしまいますし、報告書の作成もパソコン上でマウスを動かすだけで簡単に行え、印刷も非常にスムーズです。

その機能はとても素晴らしいのですが、使用する人間の理解力が追い付きません。分析機器は高機能化が進んでいるためいろいろなことができますが、その分の操作を覚えなければなりません。また、各社により使用するソフトウェアが異なるためにメニューなど操作方法が異なっています。当研究室にも様々なメーカーの分析機器があり、数年前までなら直ぐに違いを理解し対応することができましたが、今では覚えるのが一苦労です。最近、メールやゲームが大好きな人は絶対に買わないと思う液晶もないボタンだけの高齢者用の非常にシンプルな携帯電話が発売されていますが、使い方が判らないときにはこのような分析機器があっても良いのではないかとすら思ってしまいます。

ろいろ思うことはありますが、新しい機器が導入されたことはとても嬉しく思います。設置される前の晩は遠足や運動会を控えた子供のようにワクワクして眠れませんでした。       

 (第一研究室 武田 淳)


<2004年12月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 容器包装詰低酸性食品のボツリヌス食中毒に対するリスク評価

  2. 好熱性嫌気性細菌の芽胞形成用培地の検討

  3. 食品の回転殺菌における熱伝達

  4. 通電加熱による連続殺菌

  5. オンライン情報検索 

  6. インターネットによる情報管理

  7. データベースの実用化

依頼試験

 新規受付30件、前月より繰り越し27件、合計57件。うち完了32件、来月へ繰り越し25件。

主要項目:貯蔵試験、原因究明(変色、異物)、揮発性成分分析、栄養成分分析、金属定量、ヒスタミン分析、塗膜性状試験、容器性状観察、微生物接種試験、菌株同定、耐熱性試験、変敗原因究明、細菌試験、菌数測定、研修、技術指導、容器性能試験、英文証明書作成、対米輸出工場登録、文献複写、通関統計データ処理

その他

  1. 殺菌管理主任技術者講習会業務(第69回講習会講師担当および第68回の査定)

  2. 巻締主任技術者認定講習会業務(第146回講習会事務局業務および査定)

  3. 食品包装プロセス研究会関連業務(記事録作成、情報誌発行)

  4. FDA管理サービス関連業務

  5. 無菌充填技術ワークショップ関連業務

  6. 会員サービス他(文献調査、見学、電話、電子メール回答)


登録:2005/2/14
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