(缶詰時報 2003年4月号掲載)
年は久々に寒さの厳しい年になりました。乾燥した日も続いたためインフルエンザも大流行しましたが,みなさんの周りではどうでしたか?幸いにも研究所では流行せずにすみました。


ィルスはインフルエンザウィルスのように人間に危害を加えますが,そのウィルスを利用した"未来の癌治療の研究"をTVで見ました。ウィルスを遺伝子操作で癌細胞にのみ入り込み増殖するようにし,癌細胞を破壊するというものです。ウィルスは,一定箇所の癌を破壊すると血液中入り,転移した癌をも破壊するというすぐれものでした。現在,臨床試験中。逆転の発想だと感心した次第です。実現すればすばらしいですね。

品業界では天敵のボツリヌス菌も逆転の発想で最近注目されています。それは,美容法「ボートックス」。ボツリヌス菌の筋肉を弛緩させる働きを利用し,目尻のシワなど表情ジワを消すことができるのだそうです。もともとは顔面神経痛やチック症の患者のために開発された技術で,カナダの医師が,ボツリヌス菌をシワのばしに使ってみたら,と思いつき,試してみたのが3年前だそうです。以来アメリカ全土で急速に広まり,今ではケミカルピーリングと並んで人気があるということです(今のところ,体験レポートを報告する予定はありませんが,数年後は???)。
気づいていないだけで,当研究室に保存されている細菌の中にも有益な利用方法があるかもしれません。

(食品微生物学研究室・主任 大久保良子)


<2003年2月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 小型熱交換器による飲料の超高温殺菌に関する研究
  2. ボツリヌス菌接種試験(厚生労働省補助研究)
  3. 加工米へのボツリヌス菌接種試験 
  4. 高温性嫌気性細菌芽胞の調製と耐熱性試験 
  5. アルミレスパウチの性能評価試験 
  6. 水産缶詰の香気成分と加熱殺菌との関係 
  7. インターネットによる情報管理

依頼試験

新規受付20件、前月より繰り越し13件、合計33件、うち完了20件、来月へ繰り越し13件

主要項目;レトルト食品の貯蔵試験、異物検定、変色原因究明、成分分析(栄養成分、香気成分、鮮度関連物質)、細菌・酵母接種試験、細菌数測定、証明書作成、菌株分与、無菌試験、容器性能試験、熱伝達試験、FDA登録関連業務、通関統計データ処理

その他

  1. チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議開催、事務業務)
  2. 主任技術者講習会(殺菌:資格査定、巻締:試験関係 品質管理:試験関係)
  3. 講習会講師(長野県缶びん詰技術講習会)
  4. 講習会受講(HACCP専門講師養成、第1種圧力容器取扱主任者、データベース利用) 
  5. 会員企業訪問
  6. 缶詰品評会事務局業務 
  7. 会員サービス(電話、電子メール回答、来訪対応など)
  8. TV取材協力

登録:2003/4/16
Copyright (c) 2003, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association