(缶詰時報 2003年3月号掲載)
シーズンは例年になく寒い冬になっております。インフルエンザも全国的に猛威を振るっており、健康管理にはお互い十分注意を払いたいものです。気象庁のデータによりますと、当会研究所があります横浜でも最低気温が0℃以下になった日が今シーズン(1月末まで)6回、当会本部があります東京(都心、大手町)では4回記録されたそうです。北日本の方々からみれば大した事でないかも知れませんが、ここ数年、0℃以下まで冷え込む日は稀になっていましたので、南関東の住人にとっては堪える冬といえるでしょう。ちなみに地球上で観測された最低気温の記録は−89.2℃(南極・ボストーク基地、1983年)、最高気温の記録は58.8℃(イラク・バスラ、1921年)、日本では1902年に旭川で観測された−41.0℃が最も低い最低気温、1933年、山形で観測された40.8℃が最も高い最高気温となっております。

うまでもありませんが温度を計るには温度計を使います。しかし、ただ闇雲に計っても意味がありません。計るべき対象と計器の特質を前もって把握し、適切な計測を行う必要があります。温度計としてまず思い浮かべるのはアルコールや水銀が封入されたガラス製温度計でしょう。

今日では電子制御による様々な温度センサーが開発されていますが、ガラス製温度計もかなり使われています。FDA規則ではレトルト内温度の計測にガラス製温度計(水銀)の装着を義務付けています。ガラス製温度計による計測では液柱全部を対象物に浸すのが原則です。例えばビーカーに入った湯の温度を計る場合、ガラス製温度計の底部(球部)だけを湯に漬けたのでは駄目で、液柱の高さまで温度計を湯の中に挿入する必要があります。もし、液柱の一部が湯から出て空気に晒されているならばその部分は空気の温度を計っていることになり、露出部補正を行う必要があります(JIS Z8705、ガラス製温度計による温度測定方法)。しかし、これでは温度を読み取るのに不便です。この場合、目盛りの部分は露出していても「浸」または「没」と記された線まで対象物に挿入すれば正しい温度が計れる「浸没線付き温度計」を使うことになります。レトルトに装着されるガラス製温度計はこの種の温度計が使われているはずです。温度測定法に関する専門書は数多く出ておりますので、ご一読されることをお勧めします。
実をいうと筆者自身、浸没線付き温度計というものを3年前東京水産大学地域共同研究センターで開催された温度測定講習会で始めて知りました。まだまだ努力が足りないと痛感した次第です。

(第3研究室研究員 五味雄一郎)


<2003年1月の主な業務>

試験・研究・調査

  1. 小型熱交換器による飲料の超高温殺菌に関する研究
  2. 並列コンピュータ構築に関する研究
  3. ボツリヌス菌接種試験(厚生労働省補助研究)
  4. 加工米へのボツリヌス菌接種試験 
  5. 高温性嫌気性細菌芽胞の調製と耐熱性試験 
  6. アルミレスパウチの性能評価試験 
  7. 水産缶詰の香気成分と加熱殺菌との関係 
  8. インターネットによる情報管理

依頼試験

新規受付18件、前月より繰り越し9件、合計27件、うち完了14件、来月へ繰り越し13件

主要項目;レトルト食品の貯蔵試験、異物検定、変色原因究明、成分分析(栄養成分、有機酸)、細菌、酵母接種試験、変敗原因究明、芽胞数測定、証明書作成、容器性能試験、FDA登録関連業務、通関統計データ処理

その他

  1. チルド食品・食品包装プロセス研究会業務(情報誌作成、会議開催、事務業務)
  2. 主任技術者講習会(殺菌:資格査定、HACCP:資格査定、品質管理:講習会講師)
  3. 講習会講師(会員企業)
  4. 会員企業訪問 
  5. 補助事業申請関係業務 
  6. 缶詰品評会準備作業 
  7. 新版製造講義正誤表作成 
  8. 会員サービス(電話、電子メール回答など)

登録:2003/2/13
Copyright (c) 2003, (社)日本缶詰びん詰レトルト食品協会 Japan Canners Association