ジャムの語源と起源

  

有史以前から現代まで人々とともに 

ジャムの語源は、「グチャグチャかむ」
 JAMという英語の語源は、すでに使われなくなった「グチャグチャかむ」という意味のCHAMという古い方言であるといわれています。辞書でJAMをひくと「押しつぶす」「詰めこむ」と訳されており、これらを考え合わせると、ジャムは、よくそしゃくされたもの、つめこまれたもの…、そのとおり、消化のよい食品として古くから認められていたのです。また、保存性に優れた身近な食品として、古今東西、長い間人々に親しまれてきました。

マーマレードの語源は「マルメロ」
 
マーマレードは、オレンジなどの柑橘類の果実を原料としたものですが、ポルトガルで最初に作られたときの原料が、マルメロ(ポルトガル語、英語ではクインス)であったので、マルメロ転じてマーマレードになったといわれています。

旧石器時代人も食べていた!
 
ジャムの歴史は非常に古く、今から1万年〜1万5千年前の旧石器時代後期に、人類がミツバチの巣から蜜を取っている風景が、スペインの洞窟で発見され、その後果実を土器で煮た跡が見つかっています。人類の生活の知恵として、果実をハチミツで煮たものと想像されます。ジャムが有史以前から人類とともにあった、最古の保存食品であるといえましょう。

紀元前は、王侯貴族が珍重。
 紀元前320年頃、有名なアレクサンダー大王が、東征してインドを攻略し、貴重な砂糖をヨーロッパに持ち帰ってジャムがつくられ、王侯貴族僧侶が、珍重して食べたといわれます。その後、十字軍のオリエント遠征(1096〜1270年)で、大量の砂糖が持ち帰られて、ジャムづくりが一般に普及されるようになりました。

現代のジャムは多種多様。
 
現在、一般にジャム類は、果実等を糖類等とともにゼリー化するようになるまで加熱したもので、ジャム、マーマレード、ゼリーの3種類に分けられています。いずれもその保存性と素材の風味や色、香りを生かした身近な食品として高く評価され、広く世界中でつくられています。

 最近では、いちごやりんごのジャム、マーマレードはもちろんのこと、ブルーベリー、ラズベリー、プルーン、パッションフルーツなどの世界中のフルーツをはじめ、野菜や花弁を原料としたジャムもつくられるようになりました。食生活の多様化から、甘さやカロリーを抑えたジャム、虫歯になりにくい糖を使ったジャムやフルーツソースなど、いろいろなタイプも出回り、毎日の食卓に彩りを添え、また、お菓子やデザート、料理用と幅広い分野で使われるようになってきています。

ジャムの成分と栄養
 
みなさんの中には、ジャムには糖が多いからというただそれだけの理由で敬遠しておられる方がいらっしゃるのではないでしょうか。

 しかしそれは栄養のバランスや運動量に関係することで、何もジャムだけに限ったことではないのです。糖質(炭水化物)と脂肪は、私たちの体のエネルギー源として大切な働きをしていることはよくご存じのことと思います。特に砂糖は消化吸収が早く、ジャムは朝食に最適です。

 また、ジャムに含まれる果糖やミネラル、ビタミン類は、果実のもっている良質な成分ですから、私達の健康に大いに役立っているのです。


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