新年のご挨拶

西会長あけましておめでとうございます。

我が国の景気動向は緩やかながら回復基調を続け、昨年9月時点でいざなぎ景気を抜き戦後2番目の長さとなりました。特に好調な内外需や円安に支えられた企業収益の改善が大きく、株価も11月には23,000円を超えるなど順調に拡大してきました。一方、景気の回復を個人レベルで実感しにくいことから、食品などの生活品は依然として低価格志向が根強くデフレ基調が続いております。しかしながら日銀の調査では徐々にではありますが家庭にも景気回復感が浸透し始めており、本年は消費の活性化が期待できそうです。

食品企業を巡る環境は、法規制関係においてはすべての加工食品に原料原産地表示を義務づける制度が昨年9月から始まりましたが、これは加工食品の原材料となる食品がどの国で生産されたものかを知りたいという多くの一般消費者の要望に応える形でその範囲が大きく拡大されたものです。缶詰、びん詰、レトルト食品は原材料として水産物や農産物の一次産品を多く使用していますが、これらの収穫状況は天候や海流の変化などの自然因子の影響を強く受けます。しかしながら今後は表示された国以外から調達した原材料が使用できなくなることから、安定的な原料調達先の確保が課題となります。

本会は公益社団法人として「普及啓発事業」、「調査・情報伝達事業」、「人材育成・相談事業」、「研究開発事業」の4つの公益目的事業を中心に、会員企業の相互扶助を目的とした共益事業や、検査器具や書籍などの斡旋を行う収益事業など様々な事業に積極的に取り組んでおります。

普及啓発事業としましては、昨年よりSNSを活用して缶詰、びん詰、レトルト食品を使った料理動画を配信し一般消費者の利用機会を拡大させるとともに、工場での製造工程を本会ホームページに掲載し、缶詰製造をより身近なものとして感じていただけるような活動を行いました。本年はさらに有益な情報をタイムリーでわかりやすく消費者に伝達できるように、消費者向けウェブサイトの立ち上げを計画し、普及啓発活動を強化いたします。

調査・情報伝達事業では、国内の缶詰、びん詰、レトルト食品の生産状況を調査して四半期ごとや年間の統計を公表するほか、税制や貿易に関する国内外の情報や容器リサイクル法など国内の諸規制について情報収集に努めるとともに、缶詰時報やホームページを通じた情報提供を引き続き実施してまいります。

人材育成・相談事業では、会員企業等の技術者の資質向上を目的とした各種講習会を本年も開催いたします。特に本年は厚生労働省が国内のすべての食品工場にHACCP方式による衛生管理を義務づけることが確実となっていることから、現在のHACCP講習会の内容を一部変更して、多くの企業がHACCPによる衛生管理方式に円滑に移行できるよう支援していきます。また表示関連を中心とした各種法令に関しましては、的確な情報収集に努め、皆様からのご相談に対応してまいります。

研究開発事業では、缶詰、びん詰、レトルト食品における基礎研究や新技術開発を行うほか、会員企業等からの依頼試験について迅速かつ的確に実施してまいります。

本会は昨年創立90周年を迎えました。長きにわたり協会活動を行うことができましたのは、多くの会員企業および諸先輩等のご指導のおかげであると感謝しております。本年より次の10年、またさらにその先に向けて新しい活動に入りますが、長い歴史におごることなく謙虚な気持ちと常に進化を求めるチャレンジ精神を持って事業運営に努めてまいります。

最後に、本年も関係各位に一層のご支援とご協力をお願いするとともに、本年が皆様方にとってよりよい年になりますように祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

最後に、本年も関係各位に一層のご支援とご協力をお願いするとともに、本年が皆様方にとってよりよい年になりますように祈念いたしまして、新年のご挨拶といたします。

 

平成30年 元旦

 

公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会
会長 久代会長サイン
(にし ひでのり)

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