新年のご挨拶

西会長あけましておめでとうございます。

昨年は、年初の株価高と円安基調から一転、株価の乱高下と円高で推移しました。 国内の景気動向は、製造業では輸出企業の収益は円高が重荷となり、景況感が改善しない状況です。また、小売業では訪日客のいわゆる爆買いの沈静化や消費者の低価格志向が根強く苦戦が続いていますが、一方では構造要因の変化により、従来型の店舗を構えた小売業の売上は伸びないものの、ネット通販は売上を顕著に伸ばしているという側面もあります。また、旅行やスポーツ観戦などの体験型消費は大きく伸びているといわれており、この分野の伸長が期待されます。

昨年4月には熊本地震、8月と9月には4つの台風の上陸、10月には阿蘇山の大噴火と鳥取中部地震があり、各地で大きな被害が発生しました。ここ数年は異常気象や地震等が全国各地で発生しております。このような自然環境の変化ならびに自然災害は地球規模で発生しており、異常気象による農産物の生育不良や漁獲量の減少など食品業界にも少なからず影響を与えております。缶詰産業は一次産品への依存度が高い製品も多く、原材料不足や価格の高騰などが企業活動に多大な影響を及ぼすことから、今後の原材料の安定的供給が望まれるところです。

また昨年は、廃棄冷凍食品の横流しや缶詰への異物混入が報じられました。これらは近年のSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)等による情報の迅速な伝達と拡散が過剰反応を引き起こしているともいえますが、食品企業としてはその原因を作らない姿勢が重要であると考えます。厚生労働省は2020年を目処にすべての食品工場にHACCP方式による衛生管理を義務づける方針を打ち出しており、食の安全に対する要求はさらに強まることが予想されることから、事業者の皆さまには製造現場の環境整備や品質管理の徹底をお願いする次第です。

本会は、公益社団法人として4つの公益目的事業である「普及啓発事業」、「調査・情報伝達事業」、「人材育成・相談事業」および「研究開発事業」を柱として、会員間の相互扶助を目的とした部会活動などの共益事業や検査器具や書籍などの斡旋を行う収益事業など、多様な事業にも積極的に取り組んでおります。

普及啓発事業の活動として、昨年は8月28日に「防災の日 缶詰、びん詰、レトルト食品フェスティバル」を秋葉原で開催し、缶詰、びん詰、レトルト食品が、個食、即食、災害食として優れていることをアピールいたしました。本年は日常生活での缶詰、びん詰、レトルト食品の利用機会が増加するようにインターネットによる普及啓発活動を計画いたします。

調査・情報伝達事業では、国内の缶詰、びん詰、レトルト食品の生産統計や業界の環境問題、容器包装リサイクル法への対応などに関する情報収集を行い、缶詰時報やホームページを通じて公表しております。本年も皆さまのお役に立てるような情報の提供に努めてまいります。

人材育成・相談事業では、缶詰、びん詰、レトルト食品に関する基礎的な技術の習得から技術者の育成に至るまでの各種講習会を開催しております。容器詰食品の多様化にも対応できるよう講習会のカリキュラムを充実させ、多くの会員企業などにご参加いただけるよう務めてまいります。また、法改正により変更となる表示などについて情報収集を行い、皆さまからのご相談に対応してまいります。

研究開発事業では、缶詰、びん詰、レトルト食品における基礎研究や新技術開発の研究を進めております。本年も安全性の確保と品質向上に繋がる研究を続けてまいります。

本会は昭和2年(1927年)3月15日に社団法人日本缶詰協会として設立され、本年で90周年を迎えます。設立以来、消費者の利益が業界の利益になるとの考えで「缶詰、びん詰、レトルト食品の普及と品質の向上」に取り組んでまいりました。 私たちは、加工食品に対する消費者の期待を裏切ることのないよう業界団体として誠実を旨とした事業運営に努めております。本年もこの方針を守りつつ事業を行ってまいります。 最後に本年も関係各位に一層のご支援とご協力をお願いしますとともに、本年が皆さま方にとってよりよい年になりますことを祈念しまして、新年のご挨拶といたします。

最後に本年も関係各位に一層のご支援・ご協力をお願いしますとともに、本年が皆様方にとってよりよい年になりますことを祈念しまして、新年のご挨拶といたします。

 

平成29年 元旦

 

公益社団法人日本缶詰びん詰レトルト食品協会
会長 久代会長サイン
(にし ひでのり)

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