8 おもな缶詰−原料・品質など

  
【野菜 缶・びん詰】

 野菜缶詰は、たけのこ、グリンピース、アスパラガス、スイートコーン、トマト、マッシュルーム、えのきたけ、つけものなどがあり、おもな生産地は北海道、岩手、山形、福島、長野、愛知、京都、徳島、香川、愛媛、福岡、熊本などの各県です。

 

 たけのこ

 古くから作られてきた缶詰で、原料はおもに孟宗(もうそう)たけのこで京都や四国、九州の各県などで作られています。丸缶には形態の小さなものが詰められていますが、生産の主体は18リットル缶であり、業務用や、量販店向けに缶を開け真空パック、袋詰めにして売られています。台湾などからは麻竹の缶詰が、中国からはもうそうの缶詰が輸入されています。

 丸缶の製品の中身の形は、全形(ホール)、割(ハーブス)、薄切り(スライス)などがあります。全形製品は下記に示すようなサイズの規格がJASで決められています。

 たけのこ缶詰には、液汁が白濁したものがありますが、たけのこの旨味のもととなる物質です。この白濁物質はチロシンというアミノ酸が主成分で、ほかにいろいろ炭水化物、たん白質、カルシウム塩などが加わって、コロイド状になっているもので、水洗いすれば流れ落ち、また食べてもなんらさしつかえありません。

たけのこのホールのサイズと本数

缶 型

サイズ

大 (L)

中 (M)

小 (S)

特小 (T)

1号缶

4 〜 5

6 〜 10

11 〜 15

16 以上

2号缶

4 〜 5

6 〜 10

11 〜 15

16 以上

3号缶

4 〜 5

6 〜 10

11 〜 15

16 以上

4号缶

4 〜 5

6 以上

5号缶

4 〜 5

6 以上

7号缶

4 〜 5

6 以上

缶 型

サイズ

18リットル缶

25 以下

26 〜 60

61 以上

9リットル缶

12 以下

13 〜 30

31 以上

  

  

 アスパラガス

 わが国では、ホワイトアスパラガスとして世界的にも定評のある製品が北海道を中心に作られています。

 ホワイトのほかに穂先が緑色を帯びたホワイト・グリーンチップドや穂先も茎も緑色のグリーンがあります。形はスピアー、チップ、カット、カット・ヘッドなどがあり、そのうちスピアー、チップは太さに応じて特大(E)、大(L)、中(M)、小(S)に分けて作られます。

 アスパラガスは特に新鮮なうちにパックしなければなりません。原料の鮮度が落ちると、茎の部分の肉質が硬くなったり、穂先が崩れたりします。 スピアー、チップの缶詰を開ける時は、穂先の折れるのを防ぐため缶の底を開けます。

アスパラガスのサイズの缶マーク記号と本数(スピアー、チップ)

缶 型

缶マーク記号

E (特大)

L (大)

M (中)

S (小)

4号缶

6 〜 10

11 〜 15

16 〜 40

41 〜 57

7号缶

5 〜 8

9 〜 14

15 〜 32

33 〜 48

果実7号缶

 

9 〜 14

15 〜 32

33 〜 57

250g缶

5 〜 9

10 〜 19

20 〜 36

200g缶

5 〜 9

10 〜 19

20 〜 36

  

  

 スイートコーン

 生産は北海道が主で、原料としては、メローゴールド、リライアンス、ジュビリー、スタイルパックなどが使われており、製品にはクリームスタイルとホールカーネル(全粒)があります。

 スイートコーンの原料は、家畜の飼料用として輸入されているとうもろこしとは全く別のものです。果肉は黄金色の乳熟期で、香り、甘みが最高のものを選び収穫直後に缶詰とします。スイートコーンには硫黄化合物が原料中にふくまれていて黒変することがあるので、塗装缶が使われています。

  

 マッシュルーム

 フランスで古くから栽培されてきた別名シャンピニオンと呼ばれるきのこです。マッシュルーム缶詰の原料は国内での栽培が少なくなり、代って輸入の塩蔵原料が使われています。缶詰は山形、福島、千葉、愛知、岡山、香川などの各県で作られており、原料にはホワイト種が主として使われています。食の洋風化により国内需要は旺盛で、原料のほか、缶詰を中国、台湾、インドネシアなどから輸入しています。

 マッシュルームには、ホールのほか、スライスやピーセス・ステムスなどの製品があります。

 ホールは粒の大きさを特大(G)、大(L)、中(M)、小(S)、特小(T)、極小(m)の6段階に分けています。

ホール……かさの直径を超えない長さの茎の付いているもの。
スライス……かさの両耳をのぞいて、たてに2〜8mmの厚さに切ったもの。
ピーセス・ステムス……かさおよび茎を不規則に切ったもの。

  

 なめこ

 東北や北陸の山村地帯の特産物として作られてきましたが、近年、原料の人工栽培が増え、生のままの消費が多くなりました。缶詰は岩手、山形などの県で作られています。

 なめこは、小粒でかさが開かず粘質物(ぬめり)でおおわれているものが極上物といわれています。かさの開いていないものをつぼみといって、かさの直径によって、大(L)、中(M)、小(S)、特小(T)の4段階に分け、一方、かさの開いたものはひらきといって、同じように大(J)、中(E)、小(P)の3段階に分けています。

  

 えのきたけ

 なめたけとも言われ主として種菌をびんに入れ室内で栽培したものを原料とします。適当な長さに切り、しょう油などの調味料で味付けしたびん詰が多く、主な生産地は長野県です。

  

 グリンピース

 たけのこと同じように、古くから作られてきたもので、原料品種はアラスカ種およびGW種で、愛知、三重などの各県で作られています。原料は、輸入の乾燥豆をもどして作る戻し豆製品が大部分です。

 グリンピースは、黄色4号と青色1号という合成着色料で着色していますが、最近は自然色に近い、うすく着色されたものの方が好まれるようです。

 わが国ではグリンピースは単に料理の色ぞえに使われることが多いので、やむをえず着色しますが今後は、欧米でみられるような、無着色のシュガーピース(またはスイートピース)の製品需要が増えていくことでしょう。

 粒の大きさは大(L)、中(M)、小(S)の3段階に分けています。

 

 トマト加工品

 トマトケチャップを中心とするトマト加工品の需要は着実に伸びています。 愛知県でもっとも古くから作られており長野、茨城、栃木、福島県などが主産地です。

 トマト加工品には、ケチャップ、ピューレー、ペースト、トマトソース、固形トマトなどがあります。ピューレーやペーストはケチャップの原料として使われるほか、魚類トマト漬缶詰用にも使われています。ペーストは大部分を輸入しています。

 トマトの品種は国内での改良品種が数多く栽培されています。契約栽培により栽培されており無支柱栽培ができ、収量が多く、リコピン(赤色素)を多くふくんでいる品種です。完熟したものを使いますので、香味がよく栄養素にも富んでいます。

トマトケチャップ

トマトを破さい・裏ごしして、濃縮し
砂糖・食塩・食酢・たまねぎ・にんにく・香辛料などを加えて調味したもの

トマトピューレー

トマトを破さい・裏ごしして、1/3程度濃縮したもの

トマトペースト

トマトを破さい・裏ごしして、1/6程度濃縮したもの

トマトソース

トマトを破さい・裏ごしして、濃縮し、食塩・香辛料などを加えて調味したもの

固形トマト

丸のままもしくは二つ割りなどのトマト

  

  

 その他野菜

 野菜缶詰には、以上のほかに、ふき、ゆであずき、ポークビーンズ、こんにゃく、しらたき、とうふ類、つけもの、大豆、さといも、れんこん、にんじん、ごぼうなどの缶詰も作られています。
   


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